【コラム】120周年迎えるソウルの南大門市場
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.18 09:08
ネズミの角や犬の角(取るに足らない物の意)は知っていたが猫の角は見慣れなかった。ソウル歴史博物館で開かれている「南大門(ナムデムン)市場」の展示(7月2日まで)を見ながら学んだひとつだ。「猫の角を除いてなんでもある」ということわざがあるという。世の中のほとんどすべての物があるという意味だ。1日の流動人口40万人、そのうち外国人が1万人余りだ。取り引きされる商品は1700種余り、文字通りよろず屋だ。百貨店の中の百貨店だ。
南大門市場は今年で開場120年を迎えた。韓国で最初の都市常設市場だ。最近の言葉でいう在来市場の原形になった。1897年に崇礼門(スンレムン)の内側にある宣恵庁(朝鮮中期に税金として納められた米と反物などを管理した官庁)の場所に設置した倉内場がその始まりだ。ちょうど1897年は高宗が大韓帝国を宣布し皇帝に即位した年。政治・経済とも朝鮮の新しい出発を知らせた格好だ。
展示場は韓国の市場経済発達史の縮約版だ。朝鮮時代から現在まで南大門市場で主に売買された商品120個を集めた。コメや豆から始まり陶磁器、輸入食品まで韓国人とともにしてきた物が改めて懐かしい。日帝強占期間、韓国戦争、産業化・民主化を経てきた私たちの自画像だ。ヤンキー市場(米軍需品取り扱い)、トッケビ市場(取り締まりが来たら逃げる)、アバイ市場(北朝鮮から来た商人)、南サロン・南門ファッション(1980年代最高衣類市場)などの別称も生まれては消えていった。