【現場から】韓国の世界水準の音声認識技術、開発しても活用できない理由(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.19 13:14
もう一度、2017年4月に戻る。サムスン電子は、最新型スマートフォンのギャラクシーS8には人工知能(AI)の仮想秘書「ビックスビー(Bixby)」を搭載した。ユーザーの話を理解して情報を探し、命令を遂行する。SKテレコムは「ヌグ(誰という意味)」、KTは「Genie」という名前のAI秘書サービスを発表した。だが、この3社のサービスいずれにもETRIの音声認識技術はなかった。サムスン電子のビックスビーの音声認識技術は昨年、米企業の「VIV Labs」を買収して確保したものだ。SKテレコムとKTのハングル音声認識技術は自主的に開発した。
1980年代から30年以上積み重ねてきたETRIの音声認識技術に韓国の大企業は目をそらしているだろうか。ETRIの博士が決して研究能力が劣るわけではない。問題は企業とかけ離れた国家研究開発(R&D)のシステムにある。大企業が目をそらす理由をETRIの博士はこのように説明する。「大企業はETRI技術を自社だけが独占して使えるようにしてほしいと求めている。だが、国民の税金で運営されている政府出資研究機関の技術は特定の大企業だけに提供することができない」