離於島は済州道（チェジュド）の馬羅島（マラド）から南西に１４９キロメートル、中国の蛇山島から２８７キロメートル、日本の鳥島から２７６キロメートルの距離に位置する。離於島は島でなく常時水に浸かっている水中暗礁だ。離於島を「島」「領土」などと表現するのは法的概念というよりは情緒的心理を込めたものだ。

離於島に対する正確な国際法的解釈は「水深４．６メートルの水中暗礁」という地形的特徴と「地理的位置」を通じてアプローチしなければならない。離於島はどんな多様な海洋境界画定シナリオに基づいても韓国の水域内に位置することになる。中国政府が展開する「韓国の一方的行動に反対する」という論理は中国の利益を最大限確保しようとする意図から出るものだ。

韓中間の離於島をめぐる対立に「領土」問題が介入する余地はない。徹底して国際法に基づいた海洋境界画定の問題だ。中国の主張に対する韓国のメディアの対応方向もやはり相当部分矯正する必要がある。一部では離於島に人工島を建設して周辺国との交渉に活用しようという主張も提起する。これは法的合理性を欠いているだけでなく、周辺国との理性的交渉を難しくする稚気にすぎない。

中国政府とメディアの成熟していない姿勢もやはり遺憾だ。２００６年に韓中は離於島が純粋な海洋境界画定の問題ということで認識をともにした。しかし中国政府は毎年メディアを通じて定期的に離於島問題を浮上させている。韓国の離於島海洋科学基地運営拡大を阻止しようとする試みだ。両国はこうした非常識な曲解に没頭せず、海洋境界画定の早急な解決のために努力しなければならない。これが対立を正常化する近道だ。

◇違法漁業：厳格さと協力

中国の違法漁業は雑食性だ。特に西海（ソヘ、黄海）は接近性と豊富な水産資源のため容易に獲物になる。中国の水産資源枯渇と漁場荒廃化、水産物需要増加を考慮すれば韓国の水域での違法漁業は十分な投資価値があるわけだ。

それでも中国が自国民の違法漁業に手をこまねいているのではない。漁民と漁船の縮小に向けた構造改善と、教育、水産資源造成、韓中海洋警備共同パトロールなどは高く評価できる。しかし中国の全漁業従事者が２０００年の１３００万人程度から２０１３年に約１４５０万人に増加し、非正常な操業形態が根絶されないという点はその実効性に疑問を持たせる。

韓国で操業できる中国漁船は約１６００隻規模、漁獲割当量約６万トンだ。中国全体の漁船の推定値が約１０４万隻であることを考慮すれば中国は漁業資源に比べ漁船数が過度に多い。産業調整を積極的に取らない限り違法漁業に対する誘惑と脅威が続くのは自明だ。


＜チャイナインサイト＞「海の平和」なくして韓中の真の平和もない（３）

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