【噴水台】対馬から来た高麗仏像のジレンマ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.02 08:28
21年前だ。日本の桜圃寺内文庫に収められていた所蔵品の一部が韓国に帰ってきた。日帝強占期に朝鮮統監を務めた寺内正毅が朝鮮で収集した画集・記録画など合計1995点だ。ソウル大のアン・フィジュン名誉教授は寺内文庫を韓国文化財の模範的還収事例に挙げる。慶南(キョンナム)大のパク・ジェギュ総長のひたむきな努力と韓日政治家の交渉力を高く評価した。慶南大は寄贈展示室をつくり、関連資料集も刊行した。後続研究も行われた。
最近、高麗時代の仏像1点が論争の渦中にある。昨日、大田(テジョン)地裁は検察が申請した高麗金銅観音菩薩座像の強制執行停止申請を受け入れた。先月26日の判決で、本来の所有主と伝えられた忠清南道瑞山(チュンチョンナムド・ソサン)の浮石寺(ブソクサ)に600余年ぶりに戻る予定だった仏像の先行きが一転して不透明になった。該当の仏像は、韓国の文化財窃盗犯が2012年に日本対馬島の観音寺から盗み出したものだ。簡単に言えば贓物(ぞうぶつ)だ。