中国内のある専門家によると『星から来たあなた』以降にキム・スヒョンが中国で撮影した広告だけで３５件に達するという。広告当たり出演料は少なくとも数億元を超えたと推定される。韓国の芸能人がなぜそれほど多額のお金を中国から持っていかなくてはならないのかに対する反感も広まっているのだ。

パク・ボゴムがあるスポーツブランドの広告で「万里長城」という名前の相手と碁を打った。よりによって「万里長城」が小太りのスタイルだった上に、囲碁でもパク・ボゴムが勝利した。中国メディアはパク・ボゴムが「中国を侮辱した」と非難した。

２つの事例とも「嫌韓感情」に起因し、その悪循環を助長している典型的なパターンを示す。中国当局の今回の限韓令もやはりこうした中国内部の声に応じる側面もあるだろう。

韓流は韓国国民の自尊心だ。韓国人に「民族的」自負心を植え付けた現象だ。中国を大国として仕えてきた歴史を考えれば中国で韓流があれだけ愛されれば胸が満ちたりるほかない。

したがって韓流攻撃は韓国が最も痛い部分に対する一撃ということを中国はよく知っているのだ。限韓令はまさにＴＨＡＡＤという挑戦に対抗し中国が韓国の急所を攻略する格好だ。

もちろん今回の事態で中国が失うものも少なくない。両国が共同投資して制作した多様な文化商品が打撃を受けている。また韓流を見る中国の見方と立場が何だったのか、その根底と素顔がそのまま表われた。両国の文化的同質性を強調した既存の立場は厳しくなった。いまやわれわれは中国が「文化的」でも極めて異なる国であることを直視しなければならない。

今回の事態を契機に韓国の文化産業は刻苦の努力を持続しなければならない境遇に置かれることになった。まず中国が受け入れずにいられない高品質のコンテンツを作らなければならないという課題を抱えた。

また、韓中文化交流の均衡を確保するための努力が必要だ。現在両国間の文化産業貿易は１０対１の格差を見せる。韓国の商品だけ買ってくれと言うことはできない。「進出」は常に「進入」を前提とするためだ。

中国は重要な「市場」だが、「市場」とだけ見てはならない。文化は産業であると同時に精神であるためだ。われわれもまた中国文化を理解するための努力を傾けなければならない。韓国で公開される中国映画と公演、展示に、より多くの関心を持たなければならない。

韓国の文化コンテンツの海外市場を多角化する努力も怠ってはならない。いま中国は韓国文化コンテンツの最大市場で、全体の２５％を占める。最も大きい市場が危機を迎えれば産業全体の危機に直結するほかない。これからは東南アジアと中東、ラテンアメリカ、アフリカなど市場多角化を通じて中国リスクを減らしていかなければならない。


＜チャイナインサイト＞中国の素顔見せた限韓令…韓流は役立つ時だ꾂必要（１）

＜チャイナインサイト＞中国の素顔見せた限韓令…韓流は役立つ時だけ必要（２）