経済司令塔を早く立てよう=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.11.14 11:36
突然一瞬にして韓国社会の全てがブラックホールに陥った。「これが国か」という言葉が肺腑を突く。私たちが一般的に想像できる不正腐敗スキャンダルをはるかに上回る権力型事件だ。国民は狼狽し、また憤怒している。法を教えているが学生の前で法を守れと言うのが恥ずかしくなる。私たちが法を守って匹夫の暮らしをしている時に、だれかは法の上に君臨した。法を守ると信じていた公職者は法に目を閉じ、正義を立ててくれると信じた検察は国民の期待を引っ込めさせた。もう信じられるものは何もない社会になった。怪談とうわさ水準で片付けられた疑惑がすべて事実と明らかになったためだ。信頼の喪失、それが今回のゲートが残した最も大きい後遺症だろう。
政府の権威も消えた。大統領に二線に退けという背景には権威の喪失がある。法治国家で国の政策は法に基盤を置いている。しかし法がすべてではない。法の執行を満たすのは権威だ。ローマ人は市民自らが受け入れ従うことを権威と言い、これに対し権力が順応を強要することを権威主義だと定義した。権威は権力の透明性と責任性を食べて育つ。もう国民はこれ以上政府の話を受け入れようとしない。
しかしいま私たちは怒ってばかりはいられない状況だ。韓国をめぐる周囲の環境が急速に変わっているためだ。最も大きいのは米国の大統領選挙結果だ。