【コラム】氷河に閉じ込められた韓国政治(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.21 10:55
宋旻淳の話にもっと耳を傾けてみよう。「われわれは欧州国家が取りまとめた決議案草案から北朝鮮指導部を直接ねらった毒素条項を抜いてかなりトーンダウン(tone down)させた。そのような事実を北朝鮮が知ってわれわれの努力を評価するという報告が国連代表部から入った。それで私は、人権決議案に賛成をしても北朝鮮の反応は収拾可能な水準という論理で賛成投票を強く主張した」。その時、金万福が提案して李在禎が賛成し、文在寅が賛成の決定を下したのは、北朝鮮が韓国の決議案草案トーンダウンを本当に国連代表部の報告のとおり評価しているかどうかを北朝鮮に「確認」してみようというものだった。
実に無知蒙昧な決定だ。韓国の努力で毒素条項が抜けた草案を確保した北朝鮮に意見を聞いたらさらに有利な条件を出せと言わんばかりに反対や最小限の棄権を要求することは幼い子供でも分かりそうなことだった。やはりそうだった。11月19日、盧大統領が訪問中のシンガポールで安保室長の白鍾天(ペク・ジョンチョン)が「確認」に対する北朝鮮の反応としながら宋旻淳に出したメッセージは予想した通りだった。「南北関係の発展に危険な事態をもたらすので人権決議案の表決に責任ある立場を取るよう望む」。