「眼鏡をかけると紅彩認識が難しい」という主張には一理ある。キム常務は「赤外線遮断コーティングが施された眼鏡や累進焦点眼鏡をかけている場合、一般の人より紅彩認識率が落ちることがある」と話した。「野外太陽の光が強烈な日には紅彩認識が難しい」という指摘はサムスン電子も認める部分だ。直射光線の影響で紅彩認識率がやや落ちることがあるためだ。

紅彩認識が指紋・パスワード入力よりいつも便利なわけではない。紅彩認識技術にも明らかに短所が存在する。パスワードやパターン入力と違い、身体が静止した状況が求められる点からだ。スマートフォンと一定の距離を保たなくてはならない条件もユーザーエクスペリエンス（ＵＸ）の側面では短所に指摘されうる部分だ。キム・スンジュ高麗（コリョ）大情報保護大学院教授は「紅彩認識がもっと普遍化するには人為的でない状況でも認識率が高くなければならない」とし「揺れの激しいバスや地下鉄ではパターンや指紋認識のほうが使いやすい場合もある」と話した。

サッカーに例えるなら今の紅彩認識技術はフリーキックやコーナーキックなど球が停止している状態でゴールを狙うのと似ている。それだけ利用に制限が多いという意だ。したがって一般的なインプレー状況ともいえる、動きの多い時でも簡単に認識できるように技術がアップグレードしてこそ普遍的な認証手段として位置づくようになるだろうという分析だ。

専門家たちはそれでも紅彩認識など人体に基づいた認識技術が今後相当な水準まで発展すると見ている。キム常務は「カメラが撮影できる角度を最大限広げ、スマートフォンを顔に近づけるだけで自然に持ち主を認識するようにするなど後続技術も相次いで開発中」と述べた。


ギャラクシーノート７の紅彩認識、酒を飲みすぎると作動しない？（１）