【コラム】短い歴史の反撃=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.21 08:48
1960年代の経済開発後、そして90年代の民主化後、韓国社会は一時的に慢心した。世界で最も短い期間に経済成長と民主化を同時に成し遂げたということだ。産業革命とフランス大革命を経て西洋が数百年の長い歳月をかけて果たしたことを、わずか50年間という短い期間に成し遂げたため自慢するほどのことだった。それは時に自慢を越えて神話化され、この神話イデオロギーは我々の社会の一部で依然として通用したりもする。しかし本来、神話は虚構や希望の想像的な充足にすぎない。世の中に「ただ」はない。
真の意味の経済的成長は適切な水準の分配を伴う時に「先進性」を持つ。成長自体は根本的に不平等に依存している。正しい分配が「良い」成長を完成する。成長の過程で疎外された多数に対する配慮がない成長は根本的に「後進的」だ。長い歴史的な過程を通じて成長した国が、その間に生じた問題を修正して補強する過程で社会的安全網を強化していったとすれば、我々はまだ「分配」「平等」という言葉に過度にうなされている。「分配」を断るなら、我々の社会が経済的に「成長」したという事実も拒否したり偽りだと話さなければいけない。まだ十分に成長していないため分配に関する議論を遅延させるべきだというのが反分配論者の立場であるためだ。