【コラム】不確実性の時代、危険な南北間の緊張(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.03.18 17:09
銀行に預金したものの、利子どころか手数料を取られるのなら、どういうことが生じるのだろうか。「お金が持っていても損するので、この際、車でも買い換えようか、春服でも購入しようか」。主流経済学では水が上から下に流れるように当然の帰結だ。ところが現実では正反対の現象が表れている。消費者は財布を開くどころか緊縮している。欧州と日本で生じている実際の状況だ。中央銀行が金利をマイナスに下げる劇薬処方をしたところ、消費は増えず銀行は厳しくなった。意気消沈した銀行が貸出の回収に乗り出したため、市中のお金は減った。
利下げは需要をあおる政策だ。マイナス金利でも消費が増えないというのは需要システムが故障したという信号だ。産業社会では巨大な工場で同じユニホームを着た数千人の労働者が一緒に仕事をする姿が見慣れた風景だった。ところが「アルファ碁」のような人工知能(AI)とロボットが登場した後、人の職場は速いペースで消えていった。産業労働者が適応する間もなく泥棒のように訪れた変化だ。知識の有無による貧富の差が資本の有無による格差よりはるかに大きくなった。