－－ガラスの天井にぶつかったと感じたことはないか。

「当選して満たされた気持ちで議事堂に初めて行った日だったが、古参議員が私の前に立ちはだかった。私に『新しく当選したローン・キムがあなたか』で尋ね、ＹｏｕＴｕｂｅ（ユーチューブ）で見たといって廊下のまん中でＰＳＹ（サイ）の江南（カンナム）スタイルの馬ダンスを踊った。サイを『シ』と発音もまともにできずに。恐らくＰＳＹを通じて私と少し親しくなろうとしたのだろう。その後も私に『私たちの町内のクリーニング屋の主人を知っているか。韓国人なのだが』『私たちの町内の食料品店の社長を知っているか。韓国人なのだが』という風な質問を受け続けた。こらえがたい状況だった。これは日常化したガラスの天井、一種の人種差別だ。私たちの周辺のどこにでもある」

－－彼らがあなたに対して地域住民の支持を受けて選出された議員ではなく、特異な韓国系米国人としてのみ考えたということか。

「そうだ。だから今回の行事のように若い韓国系米国人の政治家たちが集まって似たような経験を共有し、これを克服するために共に考えることが重要だ」

－－韓国には特有の情という情緒があるのではないか。韓国系として、政界で仕事をしながら韓国民と韓国に寄与できる案があるとみるか。

「私はこの情という言葉がとても好きだ。以前にイスラエルに行った経験があるが、ユダヤ人の間でも情に似たハイミシュという情緒がある。世界中のユダヤ人が連帯感を持つことだ。夜中の２時にＪＦＫ空港に行ったが、ユダヤ人が一緒に集まって座って話しているのを見た。初めて会う間柄でも関係ない。ここに来るまで共に苦労し、同じ価値を共有する人たちだから。養子縁組された人でも、ここにきて５０年を超えていても関係ない。もはや私たちの行動が全世界の韓国人に及ぼす影響についてよく分かっている。

韓国にまた来てみると私が幼かった時に感じた情はたくさん消えたようだ。ところで私がこの前ひったくりの犯人をつかまえたことがあるが、たくさん報道された。私が前に韓国系米国人のために２万件の雇用創出をした時は記事が１行も出なかったのに（笑）。韓国でも報道されたがコメントが１２００件にもなった。コンピュータ－や技術を利用した人々と連係する新しい現象が見えるようだ」

－－共和党の米大統領候補ドナルド・トランプが最近、韓国が米国に「安保無賃乗車」をしているという話を続けているがどのようにみるか。

「これは党が問題ではなく、彼はただそのまま自分の道を行っているようだ。不幸にもよく知らない米国人がトランプが放つ言葉に耳を傾けて聞くようだ。政治がリアリティーショーのように変わって途方もないお金をかけて論争を作って人々を引き込む。民主党と共和党にはアジア政治の複雑性、韓米日の三角協力の重要性をよく分かっている候補らがたくさんいる。彼らが再び世論調査で支持を得ることになる。今はとても重要な時期だ。中国が領域拡張を試みているではないか。米国はこうした複雑な情勢をうまく読み解ける賢い国家指導者が必要だ。トランプは違う」


＜世界韓人政治家フォーラム＞慰安婦の謝罪は充分だという日本に「韓国民が感じる結果が重要」（１）