【噴水台】リピートの中のノーベル賞剥奪感=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.07 10:59
昨年の今ごろ、後輩記者が「これが記事になるのですか」と尋ねてきた。ノーベル賞関連の取材をしていて偶然、金大中(キム・デジュン)元大統領(2000年にノーベル平和賞受賞)だけでなく韓国生まれのノーベル賞受賞者がもう1人いるという事実が分かったという話だった。主人公は1987年にノーベル化学賞を受賞したノルウェー系米国人チャールズ・ピーターソン(1904~89)だった。彼は父親が旧韓末(朝鮮時代末期から大韓帝国時代)に韓半島(朝鮮半島)に仕事をしに来たため釜山(プサン)で生まれて8歳までこの地で暮らしていたことが確認された。その後輩は、読者らが「だから何なの?」という反応を見せないかと心配した。韓国との縁はそれが全てだったからだ。色々な論議の末に結局記事は掲載されたが、結構な話題になった。韓国人のノーベル賞に対する関心と期待はそれだけ大きい。
ここ数年ノーベル賞発表が近づくたびに注目される人物がいる。遺伝体(ゲノム)研究の世界的権威者であるチャールズ・リー米国ジャクソン研究所長(46)だ。今年も国内のさまざまなメディアが「受賞可能性がある韓国人」という説明をつけて有力候補として紹介した。ところで彼は韓国人ではない。両親が韓国人でソウル生まれだが、1歳の時に家族と共にカナダに移住した。当然、国籍はカナダだ。彼が韓国語を話す時に慶尚道(キョンサンド)の方言を使うということまで伝えて「血統」を強調する記事もある。