<文化が力だ>(3)社会問題、デザインが解決法…旧都心で「江戸時代」発掘した長浜(下)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.08.31 16:36
◆人を育てろ=ユネスコ創造都市に選ばれた石川県の金沢市には、都市に文化と芸術の遺伝子を絶えず供給する養成所がある。金沢市民芸術村だ。閉鎖した紡績工場の倉庫を、市民のための文化・芸術の練習場所にした。年中無休で24時間開いており、6カ月前から予約さえすれば誰でも利用できる。ただし文化・芸術関連の用途でなければならない。18日に訪れた芸術村は、子供たちの遊び場だった。石川県の私立幼稚園協会で7つの練習室を丸ごと借り、乳幼児教育関連の行事を行っていたからだ。普照豊村長は「芸術村はプロ養成機関ではない」として「市民が負担なく芸術創作活動ができるよう結果に対する圧力を全く与えていない」と話した。強要しなくても結果は自然と出てくる。ドラマ工房で演劇の練習をした市民が2カ月に1度演劇祭を開いているほどだ。
◆熟成せよ=都市再生は、既存の都市が大事に保存していた話を発掘して市民の記憶を加える方式のデザインだ。コンテンツを先に探し、必要に応じて建築物をリニューアルしていたら時間が長くかかる。京畿道富川(キョンギド・プチョン)の三政洞(サムジョンドン)焼却場ではこのような実験の真っ最中だ。2010年に閉鎖された焼却場は今後の用途をめぐって数年間、産みの苦しみを味わった。今まで通りに壊して再び作るのか。市と市民はひとまずそのままにして15年間都市と共にしてきた焼却場の意味をまず先に探索してみることにした。その初めての成果が17日まで開かれていた「空間の耽溺」展示だ。地域内の作家に焼却場でインスピレーション受けた作品を作ってもらい、これを展示した。焼却場を融合・複合文化空間としてリニューアルするのに先立ち、こうした実験を継続してコンテンツを作る予定だ。檀国(タングク)大学のカン・テウン教授(建築学科)は「用途が廃棄された産業施設でも、その空間の特性と記憶を生かして市民と共に文化として作っていく過程を経て初めて『持続可能な美しさ』が醸し出される」と話した。
<文化が力だ>(3)社会問題、デザインが解決法…旧都心で「江戸時代」発掘した長浜(上)