【社説】韓国の歴史教科書、コンテンツの不十分さが問題だ
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2015.04.05 13:05
歴史教科書をめぐる古びた理念論争が繰り返されている。昨年触発された教学社発の教科書偏向問題が最近の裁判所の判決を契機に再び火が付く様相だ。ソウル行政裁判所は2日、金星社、天才教育などの高校歴史教科書6種に対し、「教育部が下した修正命令は適法だ」との判決を出した。誤解の素地がある表現を正し学校現場の混乱をなくすには修正の必要性があるということだ。
反応はくっきりと分かれる。保守陣営は歓迎し反対側は反発する。該当教科書の執筆者は控訴の意向を明らかにした。
核心は2つだ。今回の判決が歴史歪曲と偏向性を正す適切な措置だったか、そうでなければ学問の自律性を侵害する過度な統制かだ。修正命令を受けた教科書を開けてみると2つの観点が混在している。「朴正熙(パク・チョンヒ)政権の開発政策が1997年の通貨危機を招いた」という内容や、「哨戒艦・延坪島(ヨンピョンド)事件の挑発主体を北朝鮮と明示しないこと」などがその例だ。生徒たちの理解を助けるためには20年という時間的距離に対する説明が必要で、挑発主体を明らかにするのが妥当だ。既存の記述では青少年にややもすると特定政派に対する反感や北朝鮮の仕業でないという陰謀説を刺激する恐れがある。執筆者は「学者の歴史認識すら裁断する過剰な判決」と主張する。引用符の中の言葉だけでは一理あるがそれが教科書ならば話が変わる。