サムスンとＬＧが洗濯機事故をはじめとするすべての法的紛争を終わらせることにした。サムスン電子とサムスンディスプレー、ＬＧ電子とＬＧディスプレーは、「相互に進行中のすべての法的紛争を終わらせることにした」と３１日に明らかにした。これに伴い、サムスンとＬＧの間で行われている洗濯機裁判と次世代ディスプレーである有機ＥＬの技術流出裁判など５件の法廷紛争は事実上終結手順に入る見通しだ。

両社は異例の紛争終了の共同発表とともに各社の代表理事名義で職印を捺印した合意書も合わせて公開した。権五鉉（クォン・オヒョン）サムスン電子副会長と朴東健（パク・ドンゴン）サムスンディスプレー社長、具本俊（ク・ボンジュン）ＬＧ電子副会長、韓相範（ハン・サンボム）ＬＧディスプレー社長の名義で作成された合意書には、「相互間で進行中の法的紛争をすべて終了させ、関係当局に善処を要請する」という内容と、「事業実行過程で葛藤紛争が発生する場合、法的措置は止揚し対話と協議を通じ円満に解決する」という部分を併記した。両社の長期間の対立をたたむという意志を示したものだ。サムスン電子関係者は、「合意書に書かれた法的措置止揚というものは辞典的な意味そのままに解釈してほしい」と説明した。

サムスンとＬＧの競争は１９９０年代から本格化した。サムスン創業者であるの李秉チョル（イ・ビョンチョル）会長の二女李淑熙（イ・スクヒ）氏がＬＧ創業者の具仁会（ク・インフェ）会長の三男の具滋学（ク・ジャハク）アワーホーム会長と結婚し縁を結んだが、事業競争は避けられなかった。韓国初のラジオ（１９５９年）と初の白黒テレビ（１９６６年）を発売し家電市場を築いてきたＬＧ電子としては、１０年余り遅れて電子業界に参入したサムスン電子に１位の座を渡すことはできなかった。９０年代には家電製品売り上げ基準１位と通信技術（ＣＤＭＡ、符号分割多重接続）世界初の商用化のタイトルをめぐり企業説明会（ＩＲ）などを通じ舌戦を行った。

双方の成長の土台となった善意の競争が「法廷」に進むことになったのは２０００年代からのことだ。特に新事業分野での摩擦が多かった。当時は開花期にあった携帯電話事業をめぐり人材流出で問題が起き、公正取引委員会への提訴まで突き進んだ。両社がグローバル市場での位置づけを広めていき競争分野は拡大した。特に３Ｄテレビ技術の優位性をめぐる攻防を基点に双方の争いは電子系列会社に拡大し、サムスンディスプレーとＬＧディスプレーは結局２０１２年以降に次世代ディスプレーである有機ＥＬ技術流出でそれぞれ検察に告訴し合った。

争いが極に達したのは昨年９月のことだ。サムスン電子はドイツの家電販売店でＬＧ電子の趙成珍（チョ・ソンジン）社長がサムスンの戦略洗濯機であるクリスタルブルードアを「故意に壊した」として検察に捜査を依頼し、趙社長とＬＧ電子も反訴した。両グループが前例のない「平和合意書」のような合意文を作ることになったのには李在鎔（イ・ジェヨン）サムスン電子副会長と具本茂（ク・ボンム）ＬＧグループ会長、そして具会長の弟の具本俊（ク・ボンジュン）副会長の役割があったことがわかった。今回の合意に対し両社関係者は、「厳重な国家経済状況を賢く解決するのに力を集め、消費者のために製品とサービスを向上させるのに注力する」と説明した。