【コラム】品格を失った李明博前大統領の回顧録(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.02.06 09:45
『大統領の時間』で最も非常識な部分は、おそらく2012年1月10日に北京釣魚台で温家宝中国首相とした夕食会の対話だろう。李明博大統領は北朝鮮で若い金正恩が権力を継承し、今後50-60年間執権するのが心配になると述べた。温家宝は「しかし歴史の道理がそうなるだろうか」と応酬した。李明博大統領は温家宝の返答をこのように評価した。「中国指導者が北朝鮮の将来に関し、それほど長く我慢しなくてもよいという意味の発言をしたと、私は理解した」。中国の首相が金正恩体制が長く続かないと予想したのは大きな事件だ。温家宝が『大統領の時間』を読めば反応が気になる。これは外交慣例に外れるレベルを越え、一国の最高指導者に対する信頼と国の品格の問題だ。
2011年に「アラブの春」を見た李明博大統領は北朝鮮体制の崩壊は時間の問題だと述べ、金正日(キム・ジョンイル)が首脳会談しようと哀願するという言葉も何度か述べた。その一方で任期中、李明博政権は第3回南北首脳会談のための秘密接触を継続した。この矛盾をどう理解すればよいのか。