もちろん反論も少なくない。ギャラクシーを使い続けているパネルはノートシリーズに搭載されているペン機能をサムスンのスマートフォンの最高の武器に選んだ。４０代のＰＲ会社常務は、「ノート４で筆記をするのに不便を感じたことはなかった。特にメモ帳に書いたものを写真に撮りそのままＳペンを利用して修正したり添削できる機能が気に入っている」と説明した。２０代の女子大生は「ギャラクシーノートのペン機能は紙のノートがなくてもすぐにメモを可能にし、講義中も便利に使っている」と話した。また、サムスンが２０１１年１０月のギャラクシーＳ２から導入したＬＴＥ技術もギャラクシーのセールスポイントに挙げられた。

アップルはｉＰｈｏｎｅ６になりＬＴＥ技術を搭載した。５０代の会計士は「ギャラクシーはｉＰｈｏｎｅがいまごろ導入したＬＴＥ技術を３年前から導入していた。それだけモバイル環境でインターネットはギャラクシーの方が速いという意味」と答えた。

ｉＰｈｏｎｅを使っていたがギャラクシーに乗り換えたというパネルは、相対的に少ないｉＰｈｏｎｅのバッテリー容量問題も提起した。

５０代の会計士は、「海外の空港に行ってみるとｉＰｈｏｎｅを充電するためにコンセントを探し回る人たちを簡単に見られる。ギャラクシーは着脱式バッテリーに追加バッテリーまであるので業務が忙しいビジネスマンにはｉＰｈｏｎｅより合っている」と話した。ｉＰｈｏｎｅは一体型デザインを依然として維持しており、このためにバッテリーも１個だけだ。

◇アップル「彼らだけのリーグ」を作る

生態系の側面から見ると、パネルはｉＰｈｏｎｅとタブレットＰＣ「ｉＰａｄ」、一体型ＰＣの「ｉＭａｃ」までつながるアップルのデバイス間連動性をｉＰｈｏｎｅが好まれる理由に挙げた。調査に参加したＩＴ専門紙記者は、「アップルはオフィスではｉＰｈｏｎｅ、家ではｉＰａｄ、写真・動画はｉＣｌｏｕｄを利用してｉＰｈｏｎｅとｉＰａｄを自由自在に行き来できる構造を作った。こうした環境的要素がまさにアップルだけが持つ生態系ではないかと思う」と答えた。

ｉＯＳの直観的なインターフェースもｉＰｈｏｎｅが持つ長所に挙げられた。調査に参加した移動通信会社次長は、「子どもはうそをつけない。家にいる子どもたちはギャラクシーを使えない。これと反対にｉＰｈｏｎｅは一度も教えたことがないがあまりにも自由自在に使う」と話した。アップルが独自に構築したアプリケーションストアもアップルマニアを量産する要因に選ばれた。４０代の外資系ＩＴ企業代表は、「アップルがサムスンと違い１人の力で構築したアプリケーションストアは独自の生態系そのもの」と答えた。

４０代のＰＲ会社常務は、「モバイル決済システムのアップルペイもすぐに新たな消費文化を作るとみている。モバイル決済分野はサムスンがすでに開拓した分野だが、いまためらっていては再び市場を先取りされかねない」と話す。アップルペイの核心技術である近距離無線通信（ＮＦＣ）がｉＰｈｏｎｅ６で導入されたが、これに対しサムスンは２０１１年からギャラクシーに搭載していた。このようにｉＰｈｏｎｅだけに固執する消費者の心理を「カルダクト」と解釈する見方も出された。カルダクトは文化（ｃｕｌｔｕｒｅ）と商品（ｐｒｏｄｕｃｔ）の合成語で、「文化融合商品」を意味する。

ハーレーダビッドソンのバイクやスターバックス、ナイキなどが代表的な事例だ。外資系ＩＴ企業代表は、「アップルは単純なスマートフォンだけ作ったのでなく持続的に文化を作っている。２０～３０代の女性が他のブランドは除いてスターバックスのコーヒーを毎朝飲むのと同じ論理」と説明した。

ギャラクシーの「開かれた生態系戦略」を擁護する声ももちろんある。少なくないパネルがｉＯＳの排他的な性格と違いアンドロイドＯＳの高い互換性をギャラクシーを好む理由に挙げた。２０代の女子大生は「アンドロイドでは使えるがｉＯＳでは互換しないアプリも多い。ゲームや地図アプリのような場合にはｉＰｈｏｎｅでは使えないケースもたびたびある」と話した。代表的な人気サッカーゲーム「ＦＩＦＡオンライン３」はｉＯＳバージョンがない。

一方、「ｉＰｈｏｎｅ６とｉＰｈｏｎｅ６プラスが前作（３．５インチ）と違い縦横の長さを伸ばしたことでスマートフォン買い換えに影響を与えたか」という質問には見方が分かれた。２０代の女子大生は「画面が大きいスマートフォンを使いたくてギャラクシーに変えたが、ｉＰｈｏｎｅが５インチ台で出たのですぐにｉＰｈｏｎｅを購入することになった」と話した。これに対し大手法律事務所に勤務する弁護士は、「製品の大きさとｉＰｈｏｎｅの人気は別に関係がないと考える。ｉＰｈｏｎｅ５と同じ大きさで発売されたとしても買う人は買っただろう」と答えた。


なぜｉＰｈｏｎｅなのか＝韓国（１）