林権沢、チャン・イーモウ…名前だけでも重み増す釜山映画祭(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.06 14:42
林権沢(イム・クォンテク、78)とチャン・イーモウ(張芸謀、64)。韓国と中国を代表する2人の映画監督がそろって釜山(プサン)国際映画祭を訪れた。「巨匠」という肩書きがふさわしい作品を携えてだ。林権沢監督は、彼の102本目の映画『ファジャン』を、チャン・イーモウ監督は7年ぶりにコン・リーと息を合わせた『5日の出迎え』をそれぞれ披露した。2つの作品はいずれも世の中に向けた2人の巨匠の、さらに温かく豊かになった視線を見せている。中年男性を主人公にして、事件の劇的な展開よりも切なる心理描写に焦点を合わせた点も似ている。『5日の出迎え』は8日、『ファジャン』は今年下半期に公開される。
◆林権沢の新たな挑戦=『ファジャン』は病気にかかった妻(キム・ホジョン)を介護していたオ常務(アン・ソンギ)が、若くて魅惑的な部下職員ウンジュ(キム・ギュリ)に愛情を感じることになる話で、小説家キム・フンの同名小説が原作だ。妻を限りない真心で介護しながらも、若い女性に向かう視線をどうにもできない中年男性の心理を繊細に描写した。人間の欲望を、凄然に痛ましく描き出した点が特に美しい。韓国的な情緒と美を主に描いてきた林権沢監督の作品では見られなかった題材と雰囲気だ。