【コラム】滅びない韓国、崩れない金正恩政権(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.05.05 16:58
これに対し、北朝鮮の最高位が政権を維持するための基本は何だろうか。人民の票か。そんなことはない。労働党エリートの忠誠・忠誠を制度的に引き出すための代表的な方法の1つが人事行政だが、北朝鮮の人事政策は最高位1人の審査に全てがかかっている。世論もやはり結集、表出される制度が存在しない。すなわち北の最高位が彼の権力を維持する方法は、下からの取りまとめではなく上からの統制を通じて得られる。国家が滅びても政権維持のためのさまざまな制度的装置を通じて彼らは延命できる。自然と強圧的な統制装置が発達している。強盛国家ではなく鉄壁統制が核心だ。すでに滅びた国家を剛性政権が手につかんでいるのと同じだ。
事実、北朝鮮のこうしたシステムの起源は冷戦時代にさかのぼる。彼らの主張によれば、人類の理想である共産体制を全世界的に達成するための過渡期として国家を設計したからだ。彼らの頭の中には国家というのは当初、存在しなかった。共産世界では国家というのは消滅するものだという彼ら特有の考えからだ。ただし国家が消滅する理想郷へ向かう過渡期に国家が存在するだけだ。国家形態があることはあるが、どの道なくなる国家機構に代わって革命勝利のための革命指揮体制として編成されているという考え方だ。