【社説】セウォル号の悲しみを利用しようとする者は誰か(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.04.23 10:24
現在救助された生徒たちを治療している高麗(コリョ)大学安山病院精神健康医学科のハン・チャンス教授は言う。「外傷後ストレスには両面がある。心理的回復力を発揮してこれに打ち勝てば数段階さらに成熟し、勝てなければ病気になる。患者は今、外傷後の成熟かストレスかを分ける重要な地点に来ているので社会が彼らを成熟に導くよう助けるべきだ」。心理的回復力は本人の体力や性格、そして周辺の支えと安定的環境に影響を受けるといった。私たちの社会が患者を助ける方法は、彼らに支えと安定的環境を提供することだ。しかし今、安山をめぐって広がっている様子は、こうした治癒とは正反対に向かっている。
ハン教授はまた「事故当事者ではなくても家族や安山市民、この事故を目撃した多くの人が『外傷後の鬱憤障害(PTED:Post-traumatic embitterment disorder)』にならないかと心配している」と話した。鬱憤障害は、社会が不公正で正義に反しており、信頼できないという考えに起因するものだが、今回の超大型災難と共に韓国社会に対する信頼がひどく損なわれる経験をしながら、知らず知らずのうちに広がる可能性があるということだ。