【コラム】今は未来を心配する時=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.28 11:36
未来に関する話題を持ち出すのに大きな抵抗があり心配なのが、今の韓国社会の雰囲気だ。不況が続き、国民と企業は大変な状態にある。こうした中で政界とメディアは未来よりも過去にこだわった泥沼の争いから抜け出せていないのが現実だ。目の前に迫る2015年や2030年を考えるのは、暇な贅沢と感じられている。
このように現在と過去に拘束され、未来に対する展望や企画の能力がまひする現象は、先進国であれ開発途上国であれ例外なく経験している流行病なのかもしれない。過去の1世代、市場と生活様式の急激なグローバル化過程の中で開発と発展にだけ全力投球した結果、一歩遅れてその発展が内包した矛盾と後遺症に苦しんだ。政府閉鎖と債務不履行の危機をかろうじて免れた米国も、こうした流行病に感染したのではないだろうか。韓国の場合、国家運営の焦点が1カ所に合わされないまま、大統領と政界が直面した国家的危機の性格を全く違う観点で把握している政治の分裂症が最も大きな問題だ。
大統領は地球村の共同課題を解いていく未来志向的な活動に積極的に参加することで、国家の地位を高め、新たな発展動力を確保するのに政治力を集中する姿を見せている。相次ぐ首脳外交はさておき、世界エネルギー総会、世界サイバースペース総会、ユーラシア時代国際協力会議と3日連続で講演をした朴槿恵(パク・クネ)大統領は意識的に未来に対する挑戦を強調しながら、政界の混戦とは距離を置いている。半面、野党がイニシアチブを握った政界では国家情報院の書き込み、首脳会談の会議録、歴史教科書など過去の問題を最も至急な国家課題に設定し、与野党間の総力戦を数カ月間続けている。このように激昂した韓国政治の戦闘的な雰囲気で、地球村と韓国の未来に関する議論は割り込む隙も探すのが難しい状態だ。