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辛くてしょっぱい韓国人には情熱が…「韓国学の巨匠」キム・ヨルギュ教授死去

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.23 09:47
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韓国学分野の巨匠に数えられるキム・ヨルギュ西江(ソガン)大学名誉教授が血液がんで闘病中、22日午前10時に死去した。81歳。

故人は1932年、慶尚南道固城(キョンサンナムド・コソン)で生まれた。幼いころ彼は病弱だった。「ご飯よりも薬を多く飲んだ」と言うほどだった。友人が運動場で走りまわっている間も彼の居場所は机だった。当番と共に彼はいつも列の外にいた。朝会時間も体育時間もそうだった。それだけ弱かった。代わりに故人は本を読んだ。体は弱かったが思考の筋肉を育てた。「その時期がなかったら今の私はなかった」と回顧したこともある。

 
故人は文学と旅行が好きだった。全国を巡って人々に会った。その地方に伝わる民話も聞いて民俗も見た。関心は自然に民俗学へとつながった。故人は幼いころ祖母と同じ部屋を使っていた。いつも寝つく時まで祖母が聞かせてくれた昔話が、彼が深く掘り下げた民俗学の根っこになった。

ソウル大学国語国文科を卒業し、同大学院で国文学科民俗学を専攻。29歳の時に教授になり、50年間講壇に身を置いた。忠南(チュンナム)大学助教授、西江大学国文科教授、ハーバード大学燕京研究所客員教授を歴任した。

故人は韓国学の研究を「自分を照らす鏡」だと表現した。「韓国人は辛くてしょっぱい。塩加減をした気力なのか。ただ言い争いだけに使うのではなく、苦難や苦痛に対抗する情熱がある」。塩と唐辛子を散らせば息を吹き返すキムチの漬け込みハクサイのようなものだとも言った。彼の文章は、自分たちのやり方で韓国人の味と良さを評価する親しみと絶妙さを内包していた。

韓国文化の中で最も誇れるものに「朗読」を挙げた。幼いころから寺小屋で東洋の古典を学んだ伝統を故人は高く評価した。「『なぜ勉強するか』が重要だ。昔はお腹が飢えた時代だったが、近頃は魂が飢えた時代だ。人々は入試や国家試験、資格試験のために勉強する。利害得失にのみ固執する。勉強を通じて自身の魂と情緒が育って生い茂る楽しみを享受したら良いだろう」。

定年を6年残した91年に故人は帰郷した。自然と1つのリズムで生きたヘンリー・デイヴィッド・ソロー(1817~1862)の人生に憧れた。仁済(インジェ)大学教授・啓明(ケミョン)大客員教授・智異山(チリサン)高等学校講師などを歴任して毎年1冊以上の本を書き、講義もした。今年2月に出版した『今はないものたち』をはじめ、『韓国人、私たちは誰なのか』 『韓国民俗と文学研究』 『読書』 『韓国文学形態論』など60冊余りの著書を出した。

遺族は夫人のチョン・サンオク氏(随筆家)と息子のチニョプ氏(ソウル大学美学科教授)・ジンファン氏(現代高校教員)、娘のソヨン氏(韓国芸術総合学校教授)ら。通夜はソウル大学病院内の葬儀場にて。電話02-2072-2020。

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    2013.10.23 09:47
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    今年初めまで毎年1冊以上の本を出していたキム・ヨルギュ教授。彼は「この頃人々は、勉強を通じて自身の魂が育って生い茂る楽しみを享受したら良い」と話していた。(写真=中央フォト)
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