【時論】教科書闘争の自由主義的解決法=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.09.25 11:37
最近教学社の国史教科書が検定を通過し韓国社会は理念論争に巻き込まれた。「資格も備えていない親日・親独裁の不良な右翼教科書」という攻撃に対抗し教科書の著者は現行教科書こそ「親北朝鮮・親ソ・反米・反韓国」の左偏向を見せているとしている。出版社に対するテロの脅迫まで続き、競争メディアの代理戦にまで広がっていく雰囲気だ。その激しさは一面で解放空間の左右論争を彷彿とさせるが、決して無益な争いではないようだ。多様な集団が集まって暮らす多元化された社会で多種類の教科書が競争するのはとても自然なためだ。
中国の憲法前文は阿片戦争後の中国の近現代史が半植民地・反封建闘争の過程だと明記している。国家が公式化された歴史観を提示した格好だ。だが自由民主主義社会では歴史解釈に関する国家的有権解釈はありえない。自由民主主義国家は国民に「歴史の正解」を話す代わりに、1人1人が真理を追求できる思想・良心・言論・表現の自由を保障して退く。国が退いた自律の空間で歴史解釈は完全に学界と市民社会の役割だ。そのような思想的自由が保障された社会ではだれでもどんな集団でも望むならいくらでも「教科書」を企画し執筆することができる。また、そのような教科書は最小限の検定基準を備えれば自由に出版できる。