【コラム】“盲北”の統一教育=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.06.21 14:56
金剛山(クムガンサン)観光が赤字に苦しんでいた金大中(キム・デジュン)政権の話。韓国統一部は小中高生と教師の修学旅行というアイディアを絞り出した。彼らを観光客として送って頭数をそろえ、その費用は南北協力基金で充てる方式だった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時まで年間数百億ウォンになる国民の税金が投入され、無料観光を誘惑するブローカーの黒い手が全国の学校を席巻した。政府は青少年に北朝鮮の実態を見せる現場の統一教育だとして国民向けの広報に出た。
実態取材のため当時現地に行った記者が、ある小学生に北朝鮮に初めて来てみた感想を尋ねた。ところが児童の口からは「私は北朝鮮のほうが良いです」という言葉が飛び出してきた。記者はもちろん、これを見守っていた教師も当惑せざるをえなかった。理由を尋ねた。その児童は「ここでは朝に卵フライやハム、ソーセージも出てきて、オレンジジュースも飲むことができます。夜もベッドで寝られました」と答えた。田舎の学校から来た児童のこうした反応は当然だった。引率教師はもちろん観光業者や統一部など誰ひとりとして、金剛山は北朝鮮地域だが食べて寝る観光施設は韓国企業の現代牙山(ヒョンデアサン)が提供しているということを教えていないのだ。観光客の数字を満たすために汲々としていた『体験型統一教育』の結果は、このようにみじめなものだった。太陽政策の暗い陰は、その後も長らく学校統一教育から消えなかった。