【取材日記】脱北青年を死地に送った韓国外交部の無誠意な対処
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.31 13:25
コッチェビ(浮浪児)だった脱出作家キム・ヒョクさん(31)は17歳の時、北朝鮮・中国の国境付近にある咸鏡北道会寧(フェリョン)の教化所に収監された。脱北しようとした住民を収監する「全巨里(チョンゴリ)12教化所」は人権じゅうりんで悪名高い。寝て起きれば遺体が積もるというここで、彼は死の門を行き来し、苦難の末、脱出に成功した。中国・モンゴルを経てソウルに到着したのは2001年。彼は昨年、西江(ソガン)大公共政策大学院で修士の学位を取得した。論文の題は「北朝鮮のコッチェビ研究」だった。4歳で母を亡くし、もの乞いで延命した自分のつらい経験に基づいている。キムさんは北朝鮮原文の研究で、コッチェビが流浪者を意味するロシア語「コチェビイェ」に由来することを明らかにした。
そのキムさんが夜も眠らず28日、朴槿恵(パク・クネ)大統領に向けて手紙を書いた。ラオスで逮捕されたコッチェビの脱北青年9人の韓国行きのために力を注いでほしいという内容だ。手紙でキムさんは「人権も人間もないそこで、幼い青少年が二度と連れて行かれないよう大統領が助けてほしい」と切実に訴えた。「私も17歳の年齢で収監され、獣と変わらない人間の生活の底辺を経験した。送還後、北当局から受ける処罰がどれほど過酷なものか誰よりもよく知っているので耐えられない」と書いた。