【コラム】円安よりも韓国経済をさらに苦しめる問題は…(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.24 15:26
韓国経済危機の裏には常に円安があったと指摘する専門家が多い。現象学的なアプローチで見ると、間違った話ではない。通貨危機当時の1997年、為替レートは100円=784ウォン、1ドル=120円台だった。グローバル金融危機直前の07年も事情は似ていた(100円=789.75ウォン、1ドル=117円77銭)。しかし「円安=危機」は韓国経済の恒等式ではない。円安を乗り越えてここまできた。サムスン電子・ポスコなど韓国企業がグローバル一流企業に成長したのも、1ドル=110円-120円時代を乗り越えながら競争力を高めたからだ。円安は簡単にいうと日本製品が安くなることだ。私たちがより良い製品をより安く作れば勝算はある。しかし短期間に品質を改善してコストを削減するのは、言葉で言うほど容易なことではない。さらに生産性を高めるには、労働分野の非効率にメスを入れるしかない。
経験的にみれば、円安よりも労働分野の問題が韓国経済をさらに苦しめてきた。97年の通貨危機が代表例だ。起亜車など不振企業の処理は労働界の反発が足かせとなった。政府のリーダーシップは窮地に追い込まれ、投資家は離れ、韓国経済は危機に向かった。