京畿道水原市（キョンギド・スウォンシ）と手を組んだ通信大手ＫＴが、プロ野球第１０球団の主人公に事実上決定した。

韓国野球委員会（ＫＢＯ）は１１日、ソウル道谷洞の野球会館で理事会を開き、第１０球団創立評価委員２２人が作成した評価結果の報告を受けた。ＫＢＯ理事会は、ブヨン・全羅北道よりＫＴ・水原（スウォン）に高い点数をつけた評価委員会の採点結果を受け入れ、球団オーナー会の総会に承認を要請した。総会は水原・ＫＴに軍配を上げた理事会の議決をそのまま通過させる見込みだ。

ＫＴは２０１４年に２軍リーグ、２０１５年に１軍リーグに参加できる。一日５試合が行われる「プロ野球１０球団時代」は２０１５年に始まる。

ＫＴの勝利には、ドーム球場の建設、独立リーグ支援、そして野球発展基金２００億ウォンという３つの約束が影響した。ＫＴは資金力を前面に出して全北・ブヨンを上回る競争力を強調し、評価委員会とＫＢＯ理事会を説得した。

この日の理事会では、ＫＴが野球発展基金に出すという２００億ウォンが話題になった。２年前に第９球団設立承認を受けたＮＣは２０億ウォンを出した。ＮＣが単独候補として加盟したのに対し、ＫＴはブヨンと激しく競争したことで金額が高まった。ブヨンは８０億ウォンを記入していた。財界１５位のＫＴグループ（資産規模３２兆ウォン）が、３０位のブヨングループ（１２兆５０００億ウォン）を“マネーゲーム”で圧倒したのだ。

理事会直前までブヨンはＫＴの資金力を意識し、「３０年以上プロ野球団を運営する自信がある。第１０球団の誘致に成功すれば、全北のアマチュア野球のために１００億ウォンを支援する」と攻勢に出た。しかし双方が公開した実際の運営計画で、ブヨンはＫＴに及ばなかった。主要評価要素だったインフラ項目でもＫＴは水原とともにスケールの大きさを誇示した。

ＫＴ・水原は４日、水原球場増築式を開いた。２９０億ウォンを投入し、２０１４年から使用可能な球場にリフォームするのが目標だ。現在１万４４６５席の観客席が２万５０００席に増える。さらにＫＴは「２０２０年ごろ、西水原の３３万平方メートルの敷地に５０００億ウォンほど投入し、４万席規模のドーム球場を建設する」と約束した。ＫＴより財界順位が高い企業が運営する球団も今まで投資できなかった規模だ。ブヨン・全北は１１００億ウォンを投じて新しい球場を建設すると発表したが、野球関係者の念願であるドーム球場の建設にはかなわなかった。

独立リーグ運営計画も評価委員会から加点を受けた。ＫＴ・水原は「実業野球団５チームをまず設立した後、現在運営中の高陽ワンダーズを含めて独立リーグを運営する」と明らかにした。これにも年３０億ウォンほどの予算が投入される。結局、スケールの競争でＫＴ・水原が勝利した。利害関係からＫＴを警戒していた一部の球団も、ＫＴを高く評価した評価委員会の意見を尊重した。

ヤン・ヘヨンＫＢＯ事務総長（５２）は「評価委員会がプロ野球に産業的にアプローチしたＫＴをより高く評価した」と説明した。全北も「相手の資本・物量攻勢で当落が決まった」と敗因を分析した。