2012年のサムスン、ジョブズを“盗む”(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.05.15 16:39
ギャラクシーS3はアップルが得意とする感性的な接近、ユーザー中心というコンセプトを‘盗んだ’。 1976年にスティーブ・ウォズニアック、ロナルド・ウェインとともにアップルを共同で創業したスティーブ・ジョブズは、83年、天才画家パブロ・ピカソの「優れた芸術家は模倣するが、偉大な芸術家は盗む」という言葉を始めて引用した。 翌年はキーボードで命令語を打ち込むのではなく、アイコンをクリックして使用するグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を採用した初のパソコン、マッキントッシュを出した。 GUIはゼロックスのパロアルト研究所(PARC)が初めて開発した。 この技術の価値を一目で感じ取ったジョブズは、これをさらに改善して自分の作品に取り入れたのだ。 ジョブズは06年にiPhoneを開発する過程でも「人類が今までに作ったもののうち最高のものを発見し、それを自分がしている仕事に結びつける知恵が必要」と述べ、ピカソの言葉をまた引用した。 「優れたアイデアを盗むことに、もっと果敢になるべきだ」というジョブズの考え方は、iPod、iPhone、iPadなど「画面をタッチするだけで簡単に活用できる」モバイル機器の登場につながった。
サムスンの戦略の変化は、昨年末に登場したギャラクシーノートに見ることができる。 Sペンを取り出して「紙に文字を書く」アナログ感性を呼び起こし、初めてスペックよりもユーザー環境を強調した。 圧倒的なハードウェア性能で使用環境の不便な点をカバーし、「スペックが感性」という声を聞いてきたサムスンが、ジョブズの考えを盗んで一段階進化したのだ。 成果はすぐに表れた。 サムスンは昨年、スマートフォン販売量でアップルを抑えて1位になった。 今年1-3月期には携帯電話9350万台を販売し、業界1位になった。 世界で一日に携帯電話を100万台ずつ販売しているという計算になる。 このうちスマートフォンは4450万台で、アップル(3510万台)とスマートフォンの2強体制を構築した。