【コラム】TPPは21世紀のブレトンウッズ体制(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.12.05 14:19
中国は、戦後の国際経済体制を中国仕様へと変革することに関心を持ち始めている。富はパワーを求める。中国に限ってこの地政学的公理の例外であれと望むのは非現実的である。中国はその際、東南アジアを従える経済垂直統合――かつての朝貢貿易体制を彷彿とさせるような――を志向する可能性がある。そうした方向ではなく、中国もアジア太平洋の自由で開放的な通商ルールづくりに参画させ、パートナーとするのがこの地域の平和と安定にとって好ましい。そうした中国こそが日本の国益に適う。
気がかりなのは、このところ急速に肥大化し、増長している中国の国営企業である。WTO(世界貿易機構)のドーハラウンドが失速したのも、中国(とインド及びロシア)の国営企業が欧米の多国籍企業と裏で従来の貿易ルールとは異なる取り決めをし、ガット原則を虫食い状態にしてしまったことが指摘されている。(マッキンゼー報告書『次ぎに何が起こるのか 次代をつくる5つの革新の決定要素』、2010年)
いまの中国には、かつて江沢民・朱鎔基コンビが、中国の改革・開放を推し進めるため、中国をWTOに加盟させ、それを“外圧”として使ったようなダイナミックな戦略論は影を潜めている。