【噴水台】クラウド(Cloud)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.06.09 17:56
雲集霧散、雲のように集まり、霧のように散る。 ある意味、正しい言葉だ。 雲は水蒸気が集まって形成され、散った状態が霧なのだから。 雲は太陽を遮るが、霧は陽射しに跡形なく消える。 常に流れて千変万化するのが雲の属性だ。 「浮雲人生」という表現の淵源だ。 奇奇妙妙な形状で生き、ある瞬間に姿を消すのが人生だ。 詩人の朴木月(パク・モクウォル)も諦念と達観を同時に込めて「雲に月行くごとく行く旅人」と言ったではないか。
雲は此岸と彼岸の境界にとどまる。 水蒸気がそれ以上は上がれない高度で氷晶が形成される。 地上の人間にとって永遠として通じる最後の段階だ。 西洋で「クラウドナイン(Cloud Nine)」。 韓国ではたばこの名前だが、「神曲」を書いたダンテには天使がとどまる「第9の空」だ。 いわゆる浄化天で、聖三位一体が住む「第10の空」のすぐ下だ。 携挙を考えることができない人間には最高の境地だ。 それで「クラウドナイン」は英語で「このうえなく幸せ」という意味になる。 仏教「十地」の区分もこれに似ているが、すぐ下の「九地」は解脱の直前だ。 すべての行動で欲望と私利私欲が消えた状態をいう。