李明博（イ・ミョンバク）大統領とオバマ米大統領は共同記者会見で、「自由貿易協定（ＦＴＡ）は両国にとってウィンウィン（ｗｉｎ－ｗｉｎ）になる」と強調した。しかし、なぜＦＴＡを締結する必要があるのか、両国間の貿易不均衡が深刻かどうかに対する見解は違った。

オバマ大統領は「私が補佐官に指示するのは、どうすれば米国が輸出を増大できるかだ。米国は韓国などの国から輸入するが、韓国に輸出する方法も苦心してほしいと要請する」と述べた。「そのために米国はいまＦＴＡを妥結するのが重要だ」と語った。オバマ大統領の言葉には両国間の貿易不均衡がかなり大きいという認識がある。こうした不均衡をＦＴＡ締結を通して解消するというのがオバマ大統領の計算だ。

しかし李大統領の説明は違う。この日、米ウォールストリートジャーナルの記者は「現代自動車があり、ＬＧ電子がある。三星（サムスン）テレビを多くの米国人が見ている。米国人の中には（韓国戦争に参戦し）親が韓国で戦って死んだ人たちがいるが、果たして韓国の消費者と財閥はどんな公平な経済環境を作っているのか」という質問を投じた。韓国との貿易では米国側に一方的に損失が出てるという趣旨から出た攻撃的な質問だった。

これに対し李大統領は「質問した理由は分かるが、米国国民が知っておくべきことがある」とし「今日、韓国が輸出する三星・ＬＧの電子製品は国産製品だが、その中に入っている核心的な部品は米国製だ。１００％韓国製品ではない」と説明した。また「米国の人々は韓米間の貿易不均衡が非常に大きいと考えているが、１年に８０億ドルほどだ。ロイヤリティーや他のサービス費用を加えればほぼ均等であり、今の韓米間貿易は健全だ。貿易不均衡は韓国には値しない」と断言した。

李大統領が普段から「米国の貿易不均衡主張にはこう対応しなさい」と参謀に強調してきた論理を、オバマ大統領が立っている記者会見場で自ら明らかにしたのだ。

李大統領は「ＦＴＡを通して米国の製品が韓国とアジアに多く入り、米国経済が良くなり、米国で雇用が生まれれば、世界経済と韓国経済にも役立つ」とし「このためウィンウィンになるようＦＴＡ交渉をしている」と述べた。


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