【社説】ソマリア海賊根絶に向け国連の対策が急がれる
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.10.19 09:03
韓国船舶がソマリアの海賊にまた拉致された。今年4月に韓国人5人が乗ったタンカー「サムホドリーム号」が拉致されてから6カ月半にわたり解放交渉に進展がない状態で、韓国人2人と中国人2人、ケニア人39人が乗船した漁船「クムミ305号」がソマリアの海賊に拉致されたのだ。これで韓国船籍や韓国人が乗った船舶がソマリアの海賊に拉致された事件だけで7件に増えた。国際社会の共同対応にもかかわらずソマリアの海賊らの“拉致産業”が根絶されていないのだ。予防と事後措置中心の現行の対応策に根本的な変化は避けられないとみられる。ソマリアの海賊がうごめく構造的原因に焦点を合わせた新たな対策が切実だ。
1991年に始まった内戦とともに登場したソマリアの海賊は、2000年代に入り活動の舞台を広げ、本格的に猛威を振るってきた。高度に組織化された武装海賊らは北東部のアデン湾とアフリカ東部海上を行き来する各種船舶を相手に無差別的な拉致行脚で年平均1億ドルの収入を上げている。国際海事機関(IMO)によると、2008年の場合、111件の拉致の企てのうち42件が成功、1件当たり最高で数百万ドルの身代金を得ているという。海賊らは国際的な組織と情報網を利用して船主側と知能的な駆け引きをしているため、被害国の政府が関与する余地が特にないのが実情だ。2008年10月に国際社会の武力介入を認める国連安保理決議1838号が採択され、韓国など27カ国が艦艇を派遣してから海賊の行為はやや減る傾向だ。しかし今年7月現在22隻の船舶と387人の船員が抑留されているほどで、依然として横行している。