【噴水台】花を妬む寒さ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.03.10 15:48
春が来るようだったが気配だけで冬将軍がまだ威張っていたいようだ。昨日今日の気温が氷点下に落ち、降りしきる雪さえ普通ではない。冬眠中の蛙、虫が目覚めて動き始める驚蟄が過ぎ、梅の花も春の便りを伝えた後になって、大雪警報とは…。春の花が咲くころなら間違いなくやって来る寒さは身に応える。言葉どおり“春来不似春”(春が来たのに春らしくない)だ。少しもうれしくないが、この寒ささえ経験すれば本当に春が来るのが自然の摂理であるはずだ。
「花(コッ)セムチュウィ」は冬の間、猛威をふるって退いた冷たい大陸の高気圧が初春に一時的に影響を及ぼして急にやってくる寒さのことだ。もちろん公式の気象用語ではない。古くから風神が花が咲かないように冷たい風を吹かせたことから付けられた名前だという話が伝わる。“花セムチュウィ”=「花が咲くのを妬む寒さ」とは、とても風情がある。このごろの寒さを称える中国の「春寒」、日本の「花冷え」という言葉より気高さは一枚上だ。