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俳優ソン・ガンホ、「壊れても映画が面白くなれば不満なし」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.02.17 16:41
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ニックネーム「演技の神」、あるいは「演技の達人」。どんな役を演じても失望させることがまずない俳優。「チケットパワー」を持った俳優。

 
俳優ソン・ガンホ(43)。新作「義兄弟」でも彼はうまい。本当にうまい。常にそうだったように観客を手ぶらで返さない。公開2週で250万人を超えた「義兄弟」の興行はそんな点で予見されていたのだった。彼の演じたハンギュは国情院要員という尋常ではない職業を持った。しかし解雇と離婚、単身赴任の父親など「普通の人」を経験していく。

ハンギュは国情院を解雇され、逃げたベトナム女性を捜してあげる仕事を始める。同じく作戦失敗で北から捨てられた南派工作員ジウォン(江東院)は互いに正体を知っているという事実を隠したままハンギュと手を握る。2人の男のちょっと変だが面白い同居。まさにこの部分が彼を捕らえた。「2人の男が敵なのに互いの正体を隠して生きて結局、互いを理解するようになる構造が新鮮でした。南北和解、理念とヒューマニズム、こんな部分は初めは意識できませんでした。撮影してみると『JSA』と似ていました」

相手に対する憐愍と理解、そして疎通。「義兄弟」のメッセージは「人が中心となる映画を選ぶ」という彼の作品観と正確に合う。「夫に殴られて、逃げだしたベトナム女性を捜しに行くとき、ハンギュがジウォンにも結婚はしたかと。レミコン工場シーンでも、なんだかんだ言いながらお前も金が必要ではないか、それならいやな仕事もしなければならないのではないか、と言います。事情をすべて知りながらも相手を心配する心、その通い合う人間的な感情が本当にいいと思いました」

ジウォンが捕まえて風呂場にかけておいた鶏に驚いて尻を見せながら飛び出す部分は観客レビューに最も頻繁に書かれるシーンだ。「誰かが私に露出専門俳優だという。私が見てもどうしてあんな表情が出たのか…(笑)。 そんな露出がハンギュという人物をよく見せて、映画を豊かにできるのなら俳優ソン・ガンホが壊れたって不満はありません」

彼の次期作はイ・ヒョンスン監督のノワール「夜霧」。再び、組織暴力団だ。同じ法執行要員でも「シュリ」と「殺人の追憶」と「義兄弟」のソン・ガンホが違ったように「ナンバー3」「優雅な世界」とはまた違う組織暴力団の誕生が待たれる。

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