キム・ヨナと浅田真央（２０、中京大）。 ジュニア時代から世界トップを争ってきた２人だ。 「浅田選手を気にするよりも自分の演技に集中したい」と話していたキム・ヨナが、自叙伝で浅田に対する率直な思いを明らかにした。

　キム・ヨナはジュニア舞台のデビュー前から浅田について知っていた。 浅田は当時、日本で‘フィギュアの神童’として非常に有名だった。 キム・ヨナは「非常に堂々と演技する姿を見て感心した。 当時は自分がジュニア競技で上位に入るとは想像もできなかったので、今後、自分のライバルになるという考えは全くなかった」と振り返った。

　２人が初めて会ったのは０４年にフィンランドのヘルシンキで開催されたジュニアグランプリファイナル大会だった。 その時のキム・ヨナの思いは「本当にうまい。世の中にこんな子どもがいるのか。よりによってどうしてあの子が私と同じ時代に生まれたのだろうか」だった。

　その浅田との競争で、キム・ヨナは１年４カ月後に勝利を収めた。 ２００６年３月のジュニア世界選手権大会だった。 ２００９世界選手権大会では２人の悲喜がはっきりと分かれた。 キム・ヨナは２０７．７１点の世界新をマークして優勝した一方、浅田は４位に終わった。

キム・ヨナは「ジュニア時代からいつも一緒にポディウム（表彰台）に立ってきた浅田選手だったので、彼女がいないポディウムは予想できなかった。 衝撃だった」と伝えた。 浅田の気持ちが十分に理解できるため、キム・ヨナは「浅田選手に配慮したかった」という。 「人々は私たちにライバルという名前を付けたが、私たちは同じフィギュアスケーターという道を行く者同士だから」