「私の愛、私のそばに」（パク・ジンピョ監督）のルーゲーリック病患者ジョンウ役にキム・ミョンミンがキャスティングされたという話を聞いて、ファンはおそらくこう考えただろう。 果たして今度はどんな演技を見せるのか。李舜臣（イ・スンシン）、チャン・ジュンヒョク、カンマエ、そしてその次は何か。

キム・ミョンミンはその期待を裏切らなかった。 これまでよりもはるかに強烈だった。 なんと２０キロ以上も体重を減らした。 デビュー初期には‘モムチャン（肉体美）’として有名だった俳優だ。 しかし今回の映画では頬がこけて肋骨が浮き出ていた。 いまやム・ミョンミンの演技は‘達人’の域に達している。

◇３カ月半の独房生活

「私の愛、私のそばに」はキム・ミョンミンにとって演技ではなく実際の生活だった。 すべての場面をドキュメンタリーのように時間の流れに沿って撮影した。 次第に衰弱していくジョンウを表現しなければならないからだ。 ３カ月半、釜山（プサン）のホテルの部屋に閉じこもっていた。 誰もおらず、一人だった。 撮影に入ればいつものように家族との連絡も絶った。 窓から入ってくる光も遮断した。 暗くて孤独な部屋で体と心が徐々に弱っていった。

「キャスティングの話を聞いたとき、０．０１％もやり遂げる自信がなかった。 これをすれば死ぬと思った。 しかし避けたからといって解決はしなかった。 妙に運命のように迫ってきた」

◇精神科治療の話まで出たが…

キム・ミョンミンは最近、回復期にある。 痩せる過程と反対の過程を踏んでいる。 先日、ようやくコメを噛み始めた。 １カ月前は久しぶりに肉を食べたというが、噛めなかったという。 「肉も食べたことのある人だけが味が分かる」という言葉を実感した。

もともと７０キロ前後だった体重が現在は６２－６３キロ。 回復に向けて努力しているが、この１カ月間はそのままだ。 医者に見てもらったが、「ただこうした状況を受け入れなければいけない」と言われた。 覚悟はしていたが、少し心配になった。

「所属事務所の人たちからは『一度、精神科で治療を受けてみてはどうか』と言われた。 うつ病のようなものを心配して言ってくれた言葉だが、 そこまでする必要はないような気がして…今は淡々と観客の評価を待たなければ」（笑）