一部の自民党秘書は議員数が115人から308人に急増した民主党への‘転向’を試みているが、状況は良くない。民主党を後方で指揮している小沢一郎代表代行が自らの公認で当選した‘小沢チルドレン’に「自民党出身秘書は‘二重スパイ’として活動する可能性があるから採用を自制してほしい」と話しているからだ。
敗走する自民党議員とは対照的に、民主党議員の事務室は賑わっている。自民党と長期にわたって関係を築いてきた官僚が、今度は民主党に‘パイプ(人脈)’を構築するため頻繁に出入りし始めている。民主党の岡田克也幹事長の部屋には選挙直後から各省庁の事務次官が相次いで訪ねてきている。事務室の関係者は「政府発足後に公式職位が決まれば官僚の出入りはさらに増えそうだ」と話した。民主党との人脈がない官僚はすべての民主党議員の部屋を訪ね回りながら名刺を渡している。3選議員の寺田学議員の秘書は「総選挙後に選挙区の秋田に戻ると、郵便受けに20枚以上の官僚名刺が入っていた」と語った。