北朝鮮がまたも悪知恵を働かせた。最近、南北(韓国・北朝鮮)関係が停滞しつづける責任を韓国側に転嫁し、北朝鮮の開城(ケソン)工業団地で韓国側に与えている「優遇措置」を撤回するとした。開城工団を閉鎖することもあるというメッセージを韓国側に投げたのだ。
現政権発足後、初の南北当局間の接触で北朝鮮が見せたものが、せいぜい開城工団に揺さぶりをかけることだったという事実に、大きく失望してしまう。開城工団は厳しい条件の下でも南北が互いに譲歩、妥協しあって実現させ、維持、発展させてきた南北和解協力の代表的な象徴といえる。実利的にも、韓国は中国などを離れる各企業が新たな活路を見つけ、北朝鮮は不足する外貨を稼いで働き口を作ってきた「共存の現場」だ。