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【コラム】キム・ヨンと‘指導者の軍隊’

2009.03.10 16:39
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韓国人ほど世界と愛憎で絡んでいる民族もいないだろう。 列強の侵奪に苦しみ、20世紀初めに韓国人は国を失った。 そして世界の支援を受けて国を取り戻し、共産侵略から生き返った。 戦争の廃虚で米国は韓国を救恤した。 その後、世界は韓国の経済成長のための市場になってくれたりもした。

こうした歴史の中で多くの韓国人が世界へ出て行った。 ある人は不運で、ある人は幸運だった。 不運な人たちは集団・強制移住と徴用で厳しい地へ行き、悲劇の歴史に耐えなければならなかった。 運良く太平洋を渡った人たちは新世界で新しい文物を学んだ。 貧しい若者たちは歯をくいしばって勉強し、米国博士学位を取得して帰ってきた。 彼らが経済開発5カ年計画を作って大学で学生を教えた。  

 
帰国せずに米国に残った人も多い。 留学・移民者とその2世たちはアメリカンドリームに向かって疾走した。 多くの人たちが自分の分野で成功した。 AmBexベンチャーグループの李鍾文(イ・ジョンムン)会長は在米韓国社会のビル・ゲイツだ。 李会長は多くの人々に職場を与え、2000万ドルを寄付した。 金融界では孫聖源(ソン・ソンウォン)カリフォルニア州立大教授がウェルズ・ファーゴ銀行首席副行長になった。 政界ではキム・チャンジュン氏が連邦下院議員を務めた。 高洪柱(コ・ホンジュ)氏は韓国系では最も高い政府職(国務省民主主義・人権・労働担当次官補)に就いた。 現在、高洪柱氏はアイビーリーグ8大学の一つ、エール大の法科大学院長を務めている。 ゴルフのパク・セリ、崔京周(チェ・キョンジュ)、野球の朴賛浩(パク・チャンホ)、ソプラノの曺秀美(チョ・スミ)、申英玉(シン・ヨンオク)、洪恵敬(ホン・ヘギョン)も米国で夢を実現した韓国人だ。

世界と韓国人の関係史で21世紀は新たなページを開いた。 韓国が世界の主要国に浮上し、世界的な韓国人が登場した。 李鍾郁(イ・ジョンウク)元世界保健機関(WHO)事務総長は人類の心に深い足跡を残した。 李鍾郁氏は情熱で総長職を遂行し、06年7月に他界した。 WHOは李鍾郁氏を「実践する人間」(a Man of Action)と呼んでこう称えた。 「李博士は国際保健の2つの重要な挑戦と戦った世界的指導者だった。 それは結核と予防が可能な児童の病気だ」。李鍾郁氏がジュネーブで息を引き取ってから3カ月後の06年10月、潘基文(バン・キムン)元外交通商部長官が国連事務総長に選ばれた。 分断の地で育った人物が、世界の分断と葛藤を治癒する人類の課題を抱えることになったのだ。

これまで多くの韓国人が世界を呼吸した。 悲劇的な先祖がいたが、運良く挑戦的な後えいが世界と韓国の前向きな関係史を率いた。 この歴史の新しいページにキム・ヨンという名前が登場している。 キム・ヨン氏はアジア人では初めてアイビーリーグ大学総長になった。 ダートマス大学が、主流出身の白人に幅広い人脈で大学基金を募れる人物を選んでいたとすれば、キム博士は候補にもなれなかったはずだ。 大学は「キム博士はダートマス大学の使命の核心である学びと革新、奉仕と関連し、最も理想的な人物」と説明した。 キム博士は貧しい国で結核・エイズを治療して退治しようと力を注いだ。 キム博士は李鍾郁元WHO事務総長のように世界奉仕のリーダーシップを見せたのだ。  

‘キム・ヨン総長’が韓国人にとって一つの事件であるのは、アイビーリーグ総長の席に就いてこそできることだ。 その席に就くと、自分の成功にとどまらず、自分の成功で世界の指導者を育てることができる。 キム博士は「世界問題を扱う指導者たちの軍隊を訓練させることができるなら、この世で解決できない問題はない」と述べた。 そうだ、‘指導者たちの軍隊’と言った。 オバマもクリントンもその軍隊出身だ。 その軍隊はアメリカンドリームだけにとどまらないだろう。 軍隊の行進曲は「マンカインドドリーム」(mankind dream=人類の夢)ではないだろうか。 行進曲が李鍾郁・キム・ヨンの後えいを呼んでいる。

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