在任中、脳梗塞で不帰の客となった小渕恵三元日本首相は、生前、多くのニックネームを持っていた。政治経歴や党内パワー、人気などであまり誇れるものがなかった彼を、マスコミは「凡人宰相」と呼んだ。ニューヨークタイムズは、魅力のない彼を「冷えたピザ」にたとえた。中曽根康弘元首相は「真空首相」と比喩した。何も入っていないという意味の酷評であるといえるものの、実は反対意見まで傾聴してすべての政策を包容する柔軟性をおだてた言葉だった。彼はバキュームクリーナーのように人を引きこもうと努力した。代表的なのが「ブッチフォン」だ。