【社説】‘ミネルバ’きっかけにインターネット文化の成熟を
ネット論客‘ミネルバ’の正体は30代の無職の男だった、という検察捜査の結果は衝撃的だ。 経済専門家でもない人が匿名で政府の経済政策を批判し、インターネットスターになったという事実は、サイバー文化の問題点を如実に表している。
すぐに‘ミネルバ’に対する検察捜査が過剰かどうかをめぐり論議が広がった。 検察の虚偽事実流布罪適用に対し、「ミネルバの書き込み280件のうち2件を問題視して処罰するというのは、似た虚偽事実をまき散らしたネットユーザーとの公平性が問題になる」という指摘が出ている。 検察が‘ミネルバ’に対する拘束令状を請求したことを受け、過剰捜査をめぐる激しい論争が繰り広げられている。 憲法で保障された表現の自由と法の公平性という次元で、拘束捜査が適切かどうかについては冷静かつ均衡のとれた判断が必要だ。