「涙が出れば汽車に乗って仙岩寺へ行きなさい/仙岩寺の解憂所(お手洗い)に行って思い切り泣きなさい/…/涙が出れば歩いてでも仙岩寺へ行きなさい/仙岩寺解憂所の前/背の曲がった松にもたれて泣きなさい」詩人の鄭浩承(チョン・ホスン)は古い寺に立ち寄り、用を足そうと手洗いを探した。 彼の目にとまった古い紙一枚に書かれた文。「体の中のたまった荷物を捨てるように煩悩と妄想も未練なく捨てなさい」突然、アンモニアの臭いが染み込んだ解憂所が老いた母の懐のように感じられた。 彼は松の下にしゃがみこんで心の中で大いに泣いた。 心の中に残ったまま人の目を気にしていた涙が一気にあふれ出したという。 このように体の中を空にして心の中を無にしてこそ、鄭浩承は美しい詩を得た。