【社説】狂牛病ろうそくデモのような混乱をまた起こすのか
韓国社会が混乱と分裂の道へと進んでいる。与党が進めている経済・メディア・社会秩序改革法案に対し野党が激烈に反対し、国会は戦場に変わった。言論労組がストを行い、進歩的市民団体がここに割り入り理念戦争が起きる兆しが濃厚だ。事案の本質をただす冷静さよりは、「李明博(イ・ミョンバク)印の悪法」「財閥法」というポピュリズムの掛け声が乱舞する。今年の夏に韓国社会の理性と都心をまひさせた過激ろうそくデモが再燃する懸念まで出ている。
こうした状況でわれわれは狂牛病騒ぎに対する憲法裁判所の最近の決定を反芻せずにおれない。民主弁護士会は米国産牛肉輸入が国民の生命権を脅かすという趣旨の憲法訴願を出した。しかし憲法裁は政府が生命権を保護するため適切で効率的な最小限の措置を取ったとしてこれを棄却した。憲法裁の決定の核心は、民主弁護士会などの主張が相当部分で根拠に乏しい誇張であり、感性に偏った杞憂だということだ。わずか数カ月で「誇張」と「杞憂」と判断した事案をめぐり韓国社会がこれほど大きな困難を味わっているのだ。実にもどかしいとしかいえない。