ソウルメトロ(地下鉄1~4号線)の労使はきのう深夜にスト直前で賃金団体交渉を妥結させた。同じ日にストに入る予定だった鉄道労組は交渉妥結に失敗したが、スト留保を宣言した。2つの公企業労組がストをしなかったのには、経済危機と国民世論が大きく作用した。国民の80%以上が、「地下鉄ストは誤りだ」と答えるほど、世論が良くなかったのだ。しかし共生のための労使双方の譲歩も大きな役割を果たしたことを否定することはできない。地下鉄労組は最大の争点だった会社の構造調整方針を受け入れた。代わりに‘賃金ピーク制’を導入し、構造調整の幅を最大限縮小することを提案し、会社側もこれを受け入れた。労組は実利を取り、会社は初めての必須公益事業場のストという負担を減らしたのだ。
過去に例を見ない景気後退が予想されている。来年の失業率は1997年の通貨危機直後を上回る可能性があるという経済専門家の憂鬱な予告も出ている。大量失業で起きる経済・社会的混乱を最小化する対案は労使の苦痛分担だ。賃金を引き下げる不満はあっても、雇用は最大限維持させなければならないということだ。