2人はウェストポイント(米陸軍士官学校)の先輩・後輩の関係だ。 先輩は優秀だった。 独立戦争の英雄であり大きな農場を持つ父の息子で、家柄からして目を引いた。 ウェストポイントを次席で出て、最精鋭の騎兵隊と砲兵隊を指揮した。 16年間、主要戦闘で勝ち続けた。 リンカーン大統領は彼に北軍司令官を提案した。 内心、奴隷解放を支持していた先輩だった。 しかし悩んだ末に選択したのは故郷。 南部連合に加担したバージニアに戻ったのだ。 この先輩がまさに南軍総司令官のリー将軍だ。
後輩は先輩のようになりたがっていた。 しかし道を踏み外した軍人だった。 卒業成績が悪く、羨望した騎兵隊ではなく退屈な兵站補職に就くことになった。 辺境で時間を過ごし、結局、勤務中の飲酒で軍服を脱いだ。 貧しい雑貨屋の息子だった彼の人生がまた上向いたのは南北戦争の時だ。 予備軍に召集された後輩は、テネシー戦闘で何とか勝利した。 ウェストポイントの親しい友人だったバックナー将軍と正面から対立した。そこで彼が得たニックネームは「無条件降伏」。 どんな交渉も拒否して強引に押し通し、1万2000人の南軍を捕虜にしたのだ。 この後輩が北軍総司令官のグラント将軍だ。