「１９５０年、ペク・ソンヨプ将軍と韓国軍の献身的な戦闘で我々が現在の自由を享受している」－－。
バーウェル・ベル司令官は演説で韓国戦争当時、国軍第１師団を指揮し国連軍の中で初めて平壌（ピョンヤン）入りしたペク・ソンヨプ将軍を何回も取り上げた。韓国の安保不感性に対する懸念を遠まわしに表現したものと分析される。それとともにベル司令官は北朝鮮のミサイル脅威に対する韓国と米国の見解の差がどれだけ大きいかを示した。
「北朝鮮ミサイルは韓国に発射することもある」というベル司令官の発言は「北朝鮮のミサイルは誰も狙っていない」とする青瓦台（チョンワデ、大統領府）の判断と正面から対立する。ベル司令官が「敵の意図を想像で決めてはいけない」と述べた部分も北朝鮮ミサイル発射を「政治的圧迫行為」と規定した青瓦台と大きく食い違う。
こうしたベル司令官の発言は韓国政府と国民が北朝鮮のミサイルを明らかな挑発と脅威として認識しなければならないという点を促したものと推測される。実際、韓米軍当局は北朝鮮が５日に発射したスカッドとノドンミサイルに生物、化学兵器を搭載した場合、韓国に致命的被害を与えることができるものと見ている。
これまで歴代在韓米軍司令官は韓国政府と見方を異にした場合、公開的発言を慎んできた。したがってベル司令官が公式的な場所で韓国政府との見解の違いを隠さなかったことは異例だ。またベル司令官は意図的に米側が持っている憂慮と不満を述べたのではないかという見方もある。与野党の国会議員たちを対象に演説したからである。
?＜ニュース特集＞北朝鮮ミサイル問題