ブッシュ米大統領の外交が多国主義に転じつつあるなか、北朝鮮のミサイル発射で、米国内タカ派の声が再び高まっている。ブッシュ大統領が朝・米間の協議を拒んでいることに批判的だった議会の主要人物らが立場を変え、ブッシュ政府の北朝鮮政策に同調している。
米上院外交委員会のルーガー委員長(共和党)は9日、米ABCテレビの番組『This Week』とのインタビューで「ミサイル発射で北朝鮮との直接対話の有効性は消えた」とし「万が一、外交努力が失敗し、北朝鮮が米国を脅威するならば、軍事行動も考慮できる」と述べた。続いて「中国が北朝鮮に対する圧力の度を強めるべき。ミサイル発射による北東アジアの軍備競争を防ぐため、同地域に強力な同盟を作るべき」とした。