【コラム】愛煙家の金正恩委員長
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.05 11:13
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は愛煙家のようだ。ベトナムのハノイに向かう途中、中国の南寧駅で降りて喫煙し、妹の金与正(キム・ヨジョン)が灰皿を持つ場面が印象的だった。金委員長は普段から現場指導に行って喫煙する姿が朝鮮中央テレビや労働新聞などによく登場する。絶対権力者の喫煙の姿がそのまま北朝鮮住民に伝えられる。北朝鮮のような閉鎖国家で可能なことだ。「最高尊厳」のこうした姿を見ると、たばこは良くないと認識できなくなる。一部の脱北者は「北朝鮮では赤ちゃんがいる部屋で父親が喫煙する」と証言する。たばこの質も低い。住民が愛用するたばこはフィルターが粗悪だったりなかったりする。
北朝鮮の男性の喫煙率(2016年)は37.3%だ。驚くことに女性は0%という。世界保健機関(WHO)北朝鮮編ではこのようになっている。韓国(男性38.1%、女性6%)よりも低い。世界肺がん財団の資料(2014年)によると、北朝鮮の男性の喫煙率は45%、女性は2.5%だ。ともに北朝鮮の報告に基づいて作成している。一部の禁煙専門家は「信頼できない。調査システムも整っていないはず」と言う。北朝鮮も禁煙政策を始めている。WHOの資料を見ると、病院・学校(大学除く)・公共交通などで禁煙だ。禁煙キャンペーン放送をするという。2005年にWHOのたばこ規制基本協約(FCTC)を韓国より1カ月早く批准した。しかし食堂・作業場・事務室禁煙、喫煙過怠金賦課などFCTCの勧告の大半は遵守していない。禁煙補助剤・薬もない。