【中央時評】文大統領の所得主導成長とムベキのエイズ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.06 14:16
所得主導成長に執着する文在寅(ムン・ジェイン)大統領を見ながら、南アフリカのタボ・ムベキ大統領を思い出した。ムベキはネルソン・マンデラ(1994-99年在任)の後継者であり、第2代大統領(99-2008年)だ。ムベキと文大統領は似ているところが少なくない。ムベキは血統から違っていた。彼の父のゴバル・ムベキはアフリカ民族会議(ANC)最高指導者であり、マンデラと共に25年間も獄中で過ごした。ANCは早くから息子のムベキを皇太子として英サセックス大学に留学させた。文大統領も司法研修院を次席で卒業した人権弁護士だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の青瓦台(チョンワデ、大統領府)の秘書室長・民情首席秘書官を務め、進歩陣営の指導部に定着した。
もう一つの共通点は「異端の理論」にのめり込んでいることだ。所得主導成長は一度も検証されていない非主流仮説だ。その副作用で惨憺たる雇用・二極化統計が次々と出てきている。にもかかわらず文大統領は「私たちは正しい経済政策基調で進んでいる」と断言した。先週末に青瓦台で開かれた与党・政府・青瓦台全員会議では「所得主導成長を着実に推進していこう」という合唱があった。