【社説】八方塞がりの韓日関係、手を引く韓国外交
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.01.31 06:54
韓日関係が八方塞がりに陥ってしまっている。慰安婦問題や強制徴用賠償判決などに関連した両国の葛藤はますます深刻化している。これに重なるようにして、日本海上自衛隊哨戒機に対するわれわれ海軍艦艇のレーダー派発射で誤解まで招いた。出口は見えていない。排水口が詰まって食器を洗った水があふれているのに、詰まりを解消する意志もアイデアもなさそうだ。この状態から手を引いた外交部をはじめ、政府の態度がそうだ。
昨日、外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官が慰安婦被害者の故金福童(キム・ボクドン)さんの焼香所を弔問した。康長官は「おばあさんは壮絶に戦ったが残念だ」と述べた。前日同じく焼香所を訪れた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「問題が解決されないまま(金おばあさんを)見送ることになり心が痛い」と述べた。ともに慰安婦問題がまだ解決されていないという認識の表現だ。だが、現状況に代入してみると、日本に対してさらに厳しく対立していくという言葉にも聞こえる。最も大きな問題は、歴史葛藤を解消して未来に進もうといういかなる戦略もアクションプランも見られないということだ。
女性家族部は今月21日、和解・癒やし財団の設立許可を取り消した。この財団は日本軍慰安婦問題を癒やすために2016年7月に設立された。政府は近くこの財団の解体手続きに入る。これに伴い、70年余り前の歴史問題を癒やすための韓日のあらゆる努力は原点に戻った。韓国政府は財団設立のために日本が提供した10億円(現レートで約102億ウォン)の中から使って残った残額60億ウォンの処理案も出さないでいる。文大統領が昨年9月、米国ニューヨークで安倍晋三首相と会って同財団の解散意志を通知して4カ月が過ぎたというのに、外交部は後続措置に言及しないでいる。金杉憲治外務省アジア大洋州局長は「財団解散は日韓合意に照らして到底受け入れられない」と話す。